明後日10月28日土曜日、京都岡崎の蔦屋書店さんでのイベントでご紹介予定の本を読み直しています。
『荒野へ』(ジョン・クラカワー)、『檀』(沢木耕太郎)、『最後の冒険家』(石川直樹)。他もいろいろと話の中でご紹介する予定ですが、今回は主に、それぞれ思い出深いこの3冊を。
『荒野へ』を読むと、自分に旅の魅力を教えてくれた友人かつ先輩のことを思い出します(『遊牧夫婦』登場のUさん)。彼は心から旅を愛し、旅によって変わり、自らの信念を貫いて28歳で亡くなりました。彼が短く濃密な人生の中で僕の心に残したものはとても大きく、いまもふとしたときに、彼に時々問われる気がします。「そんな生き方をしていてお前はいいのか」と。
『檀』は、読み返す度に心の深いところに響きます。沢木耕太郎作品で最も好きなものの1つ。書く側として、書かれる側の複雑な思いについて深く考えさせてくれるからでしょうか。沢木さんの、書かれる側への敬意が、檀ヨソ子さんの言葉の端々に現れていて、自分も旅をしながらこの本を読んで受けた影響がいまも色濃く残っています。そして後半、舞台がポルトガルに移る辺りは、なんかいつもこみ上げてくるものがあります。同じ人間でも、別の土地で会うとき、また違った関係になるのかも、と思ったりも。
『最後の冒険家』は、冒険の本として本当に素晴らしい作品です。石川直樹さんの、「冒険」に対する真摯な姿勢と内面の葛藤や、もう一人の主人公である神田道夫さんの冒険に対する突き抜けた思いと人生は、ずっと心に残っています。人はなぜ冒険をするのか、人間にとって冒険とは何なのかということを、鮮烈な物語とともに深く考えさせてくれます。
この3冊を軸に、グーグルアースで場所を実際に見て、思い浮かべ、自分の体験と重ね、写真なども交えながら、旅について、紀行作品について、いろいろと感じていただける時間にできればと思っています。
まだ席はある感じなので、よろしければ是非いらしてください!
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