20年の節目の年に

『遊牧夫婦』の旅で最初に住んだのは、オーストラリア西部の小さな町バンバリーでした。半年暮したこの町では、イルカに関するボランティアをしながらゲストハウス(Wander Inn Backpackers)で働かせてもらっていたのですが、その時のゲストハウスのマネージャーで、僕らの"上司”だったマークが来日し、京都へ僕らに会いに来てくれました。

ゲストハウスで働いていたのは2003~04年。04年3月に僕らが、900ドル(当時約7万円)で買った中古のバンに乗ってバンバリーを出発した時以来、20年ぶりの再会でした。

当時ちょうどぼくらと同時期に、宿に住みだして一緒にボランティアをしていたけいすけくんも名古屋から参加。4人で京都で合流し、マークとぎゅっとハグした瞬間、思わずこみ上げてしまいました。

その後マークとは2日間一緒に過ごし、あっという間に別れる時が。20年前の別れ際(↓画像の文章参照)、思わず涙してしまった僕を慰めてくれたマークは、今回の別れ際は、声を詰まらせて笑いながら「泣かないぞ!」と言って、涙を見せないように遠ざかり、遠くから手を振ってくれました。

緑のバンと若い3人の写真は、2003年、バンバリーでの別れの時。長女も写っているのが一昨日の別れの時。

いまも夢だったような2日間。来てくれたマークに感謝。

20年前のマークとの別れの場面(『遊牧夫婦 はじまりの日々』(角川文庫))