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遊牧夫婦が世界で出会った家族の物語 『考える人』2015年冬号

家族の数だけ物語の数がある。そのあり様は世界各地で異なるが、本質は何も変わらない。長い旅をする中で、私はそう感じるようになっていった。/好き嫌いでは離れ得ない関係、それが家族ではないかと思う。物理的に離れたとしても心理的には決して離れられない。だからこそ、家族にはさまざまな物語が生まれるし、シンプルには割り切れない気持ちを共有することになる。そして、好悪の感情だけでは説明できない物語をともに作り上げる関係だからこそ、何かあったとしても、いつかまたどこかで人生が交錯する可能性が生まれるのだ。それがきっと家族の難しさであると同時に、かけがえのなさであると私は思う。
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