吉田亮人さんの『しゃにむに写真家』(亜紀書房)読了。
順調に小学校の先生として働いてるときに、奥さんに突然、そのままの人生でいいの?と問われた(!)のを機に写真家として歩み出し、世界的に評価されるまでになる10年の道のりを書いた半自伝的エッセイ。
吉田さんは自分にとって最も身近な写真家で、友人、仕事仲間として、まさにこの10年を一緒に過ごしてきた存在。僕もさまざまに影響を受けてきました。そうして吉田さんをよく知る立場から見て、上記の驚きの転身劇同様、内容も文章も、彼の素直な人柄が全体から滲み出る一冊だった。整ったとても気持ちのいい文章。
読んでると前半は、奥さんにお尻を叩かれながら淡々とやってるうちに知らぬ間に成長してた、という感じもするものの、最後の第3部、この本の最大のテーマでもある従弟とおばあちゃんの話に入ると、吉田さんが写真家として深く思考し、対象と肉薄しながら写真を撮り、なるべくして写真家になっていったことがよく感じられる。第3部が特に素晴らしいです。
思い切って一歩踏み出そうかどうしようかと悩んでる人にきっと、よし、やってみよう!と思わせる内容。僕も力をもらいました!